前回はBOSSの製品で同じく“技”Craft のBD-2W Blues Driverを紹介しました。
今回は、BOSSのド定番オーバードライブのSD-1の“技”Craft版のSD-1W SUPER OVERDRIVEをご紹介したいと思います。
まずはスペック…
■コントロール:レベル、トーン、オーバードライブ、モードスイッチ
■電源:9V電池または9Vエフェクター(別売)
■消費電流:18mA
■寸法、重量:73W×59H×129Dmm、430g
コントロールは、
・LEVELつまみ → エフェクト・ON時の音量を調節
・TONEつまみ → 音の明るさを調節
・GAINつまみ → ゲイン(歪み具合)を調節
です。
真ん中にあるスイッチは、音色の切り替え
・S(スタンダード) → SD-1オリジナルの音色
・C(カスタム) → レンジを広げ、ゲインを少しアップさせた音色
という風に、変化します。
そもそもSD-1ってどんなエフェクター???
永遠の名機 OD-1 OverDriveの後継機種と言って良いでしょう。色はOD-1に比べちょっと明るい黄色ですが…
SD-1はOD-1そのままの回路にトーンを追加しただけのような構造で、BOSSのHP上でも OD-1直系、オーバードライブの原点機
とされているくらい。
SD-1ってBOSSの中でも最長レベルのロングセラーです。1981年に発売され現在も現行品のロングセラー品。(2015年7月現在)BOSSコンパクトエフェクターでは最も販売期間が長いとされています。
ハードな歪みは苦手ですが、クランチぐらいのサウンドにはクセも少なく非常に使いやすいエフェクターです。
音はどんな感じ???
WAZA CRAFTシリーズでは、既にいくつかのペダルがリリースされていますが、
その多くが、SモードとCモードを搭載しています。
Sモードは従来のSD-1やBD-1のようなロングセラーの音を再現させたモードで、少し音は進化していますが、ほとんど従来機と音は変わりません。
OD-1やSD-1の音はマイルドな歪みやミッドレンジのハリが特徴的で、そこはしっかり継承されています。
またOD-1やSD-1の特徴といえば、「非対称クリッピング」です。クリッピングとは、波形の上下をカットして擬似的に歪みを作り出すことをいいます。
OD-1やSD-1では、クリッピング後の波形が上下で違う形となるようにできています。これは、チューブアンプの歪みをペダルで作りたかったというBOSSの技術者が、チューブアンプの歪み方を解析したところ、真空管はゲインを上げてオーバードライブ状態になってくると、波形の中央がずれ、結果的に上下非対称な波形になることに気づき、そこでこの回路を考案したそうです。
Cモードですが少しHi-fiな音といえば良いのでしょうか?
音が持ち上がる感じがします。さらにワイドレンジでパワフル、かつハイレスポンスなドライブサウンドが得られると言った感じです。
こちらも他の“技”Craftシリーズと同様、日本での検品をされているようですので価格が高めに設定されています。
モデファイペダルへの対抗???
BOSSのペダルは世界的に有名ですが、現代において物足りないものも多いと思います。また“Made In Japan”期のものは価格が高騰していますし、気軽さには欠けます。
そこで多くのモディファイモデルが出回っています。
よく見るのは、BOSSのペダルのフットスイッチ部分に穴をあけて別のフットスイッチがついているものです。
それはつまり、BOSSは名機が多いながらも、一歩足りないアイテムであったことは確かなのかもしれません。