【閑話】初めてのギター選びのコツ
初心者さんやこれからギターを始める方に“最初はどんなギターを選んだら良いの?”と質問を受けることがあります。
そこでボクがギターを選ぶ際に注視しているところに、触れてみたいと思います。
①色と形
楽器屋さんに行くと、いろいろな形や色のギターが並んでいます。1万円のギターからそれこそ100万円を超えるようなビンテージまであるでしょう。
まず、たくさんのギターを見てみることが大事です。できればお店も何件も並んでいるようなところに見に行くことをお勧めします。
②メーカー
GibsonやFenderなどギターメーカーはたくさんあります。もし、あなたに憧れのギタリストがいるのであれば、そのギタリストがどこのメーカーのギターを使っているか調べましょう。
今はインターネットで簡単に調べられます。
できることなら、そのギタリストが使用しているメーカーのものをお勧めします。
その方が後で諦めがつきます。(笑)
ただ、アーティストモデルは避けた方が無難です。◯◯◯◯モデルみたいなものです。
必ず後で嫌になる時がきます。何本も買える財力があれば選択肢に入れても良いと思いますが、最初の一本では避けた方が良いと個人的には思います。
ボクは基本的にGibsonかFenderのギターを購入します。それはこの2つのメーカーが好きだということもあるのですが、実はもう一つ大きな理由があります。
③価格
正直にいうと新品で買う場合、高いギターには高いだけのワケがあります。
・木の材質が良い
・ピックアップなどが良いものが付いている。
・ブリッジなどのハードウェアが良いものが付いている。 etc…
なので、ハッキリ言ってあなたの予算の上限のものを買った方が良いと思います。
「ボクみたいな下手くそが、分不相応だ…」
なんて遠慮はいりません。
もう一つ、なるべく高いギターを買った方が良い理由があります。それは後ほど…
④相場を知る。
気に入ったギターができた、または購入対象のギターが絞れて来たらまずしなければならないことがあります。
それは、“そのギターの相場を知る”ことです。
必ず新品での他店の価格と、中古の相場を調べてください。
デジマートを見れば一発でわかります。
⑤売却時の価格を考える。
どんなに美形な彼氏・彼女でも付き合ってみたら、性格が合わなかった。なんてことは世の常で、これはギターとあなたとの関係でも起こりうります。
もちろん、最後まで添いとげる気で購入するのですが、素敵なギターショップの照明や実力をウヤムヤにする試奏用のアンプと環境で、連れて家に帰ったら“あれ?思っていたのと違う?”なんてことも良くあります。
また、あなたのギターの腕前が上達するにつれ、不満も出てくることでしょう。
そうなると、いつかはそのギターを売って新しいギターを手にする日がきます。その時に大事なのが売却時の価格です。
⑥売却時に有利なギター
ボクは日本の市場しかわかりませんがギターを売却する場合、絶対に有利なメーカーがあります。
それはGibsonとFenderです。
当然ながら中古市場は重要と供給のバランスでできています。人気の高いギターは売却時も高く買い取られ、人気の無いギターは安く買い取られます。
GibsonとFender(特にUSA)のギターは、このリセール時の価格が非常に良いです。ただし、どのモデルでも良いわけではなくて、やはりGibsonで言えばレスポール、Fenderで言えばストラトが一番、値段がつきやすいです。
ですので、できれば購入する際に売却する際のことも考えてヤフオクでどのぐらいの入札で最終価格が付いているかなどをチェックしておいた方が良いと思います。
例えば
Gibson レスポール Studio 新品店頭価格 ¥150,000
国産A社 レスポールタイプ 新品店頭価格 ¥100,000
1年後に売却(ヤフオク)
Gibson レスポール Studio 落札価格 ¥80,000~ ¥108,000
国産A社 レスポールタイプ 落札価格 ¥30,000
みたいなことが起きます。
1年間、使用するランニングコストでいうと同等かGibsonの方が安い。
また、高いギターになればなるほど価格の値崩れが少ない傾向にあります。また使っている材などによっては、今後長い目で見ると値上がりが見込めるものもあります。
まぁ、一概には言えないですし、そうは言っても気に入ったギターがGibsonやFenderでは無い場合も多いわけです。ただその場合は買う際に、より慎重に後悔のないように選ぶ必要があると思います。
⑦必ず買うときは価格交渉する
楽器屋さんで購入する際は、必ず価格交渉しましょう。
ボクは横浜に住んでいる関東人ですが、必ずギターを買う際は価格交渉をします。たとえ1万円の中古ギターであってもです。(笑)
家電購入の時のようではありますが、経験的にはほぼ95%ぐらいの確率で価格交渉に応じてもらえます。
その際のポイントはズバリ“現金購入”です。
クレジットカードは購入者は一見、手数料はかかっていませんがお店は結構な%の手数料をクレジットカード会社に払っているのです。ですから、現金で購入してくれるお客さんの方が嬉しいわけです。
また、値引きが難しい場合でもチューナーや弦などの消耗品などをおまけしてくれるケースも非常に多いです。
結果、ネットで買うよりも安く購入できたりします。なので、店頭で実際に試奏して現金で購入するのをお勧めします。
⑧新品か中古か
新品か中古かというのは難しい問題でもあります。中古楽器というのはコンディションが悪いものもあるので、本当に注意が必要です。
大手楽器屋さんの店頭で購入する際はまだ、コンディションの表記がきちんとなされている場合が多いですが、ヤフオクでの購入などは一種のギャンブルです。
表面の傷や打痕などは、まだ見ればわかるところなので良いのですがネックのコンディションには特に注意が必要です。
一番、難しいところではトルクロッドの状態です。トルクロッドカバーが付いているギターなどは外してチェックすること自体を嫌う楽器屋さんも多いので、難しいところです。店員さんによく聞くしかありません。
トルクロッドに関してはヤフオクなどでも、質問したりしますが的確な答えが帰ってくることはなかなかありません。
またフレットの減り具合なども、主観的な部分もあるので実物を見ないで買うのは勇気がいります。
また、売られてしまうギターには理由がある場合が多いです。
もちろん、金欠で!なんて理由のギターであれば良いのですが、コンディションに不安を感じるギターが“今のうちに”なんて感じで売られてしまっている場合も、非常に多いです。
最初のギターには新品のギターをオススメします。
中古ギターのネガな部分ばかり書いてしまいましたが、ビンテージギターと言われるギターたちも含めて中古楽器にはロマンがあります!!!!!
思いがけず、お得に買えてしまったり、現行品には無い仕様のものなどもあります。
本当にリスクを理解して、勉強代が払える勇気があれば中古ギターも良いものです。
-まとめ-
まあ色々、書きましたが結局は自分が気に入ったものが一番です。ギター選びに正解はありません。
今までにボクの腕の中を、何十本ものギターが通り過ぎて行き、やっと納得する一本に出会えました。
しかし、やはり人間というのは業の深い生き物で“あんなギターもあったらなぁ〜”なんてことも日々、考えているわけです。
ようこそ、こちら側へ。さぁ、ボクと一緒にこの底なし沼を探検しましょう。